とこよしです。

リンク:ベースの小型ヘッドアンプは実践では使えない!クラスDをおすすめしない2つの理由
年末年始休暇に入ったので、
なんか自分に1年頑張ったご褒美を与えられないかなーということで(甘い)
また性懲りもなく小型ヘッドアンプを購入してしまいました。
また性懲りもなく小型ヘッドアンプを購入してしまいました。
Trace Elliot / ELF

ベースアンプとしては、かつてはそこそこよく見かけていたトレースエリオット。
たまーに今でも年代物のヘッドが置いてあるのを見かけるが、トレースあるあるともいえる、ファンの異音。最近めっきり見なくなったなと思ってメーカーサイトを見ると、過去のモデル含め、フルサイズのヘッドもキャビネットも製品ラインナップからすっかり姿を消している。経営者でも変わったのかな??
とまあ、今回購入したのは、そんなトレースエリオットのクラスD小型ヘッド。
たまーに今でも年代物のヘッドが置いてあるのを見かけるが、トレースあるあるともいえる、ファンの異音。最近めっきり見なくなったなと思ってメーカーサイトを見ると、過去のモデル含め、フルサイズのヘッドもキャビネットも製品ラインナップからすっかり姿を消している。経営者でも変わったのかな??
とまあ、今回購入したのは、そんなトレースエリオットのクラスD小型ヘッド。
シンボルとも言えるグリーンのカラーリングとロゴはもちろん健在。
正直なはなし、小型ヘッドは過去に腐るほど試して来て、結果としてクラスD回路の小型ヘッドはすべて実践で使えないという結論に達したのに、サイズがとてもコンパクトでギグバッグのポケットに入るレベルのサイズであることと、値段、視聴した音がかなり良かったので、ついに買ってしまった。。。
学生時代、専門学校に備え付けてあったベースアンプのほとんどがトレースエリオットで、学生時代は正直いって全く好きじゃなかった。
というのも、学生時代は主にアクティブのベースを多く使っていたので、トレースはアクティブで出すといささか低域が膨らみすぎる印象があった。学校を卒業してからはパッシブメインで使うことが多くなり、それ以来、スタジオに置いてあるトレースのアンプを使ったらイメージが変わった。
適度に締りのあるブリッとしたジャリっとした元気な低音が出る。パッシブとアクティブでは使う機材との相性も変わるということをその時学んだ。
以来、トレースエリオットのイメージがガラリと変わり、結構好きな部類のアンプになった。そのトレースから小型ヘッドがでた時期に、YouTubeで音を聴いて、以来ずっと興味を持ち続けていた。

サイズはこの通り、信じられないほどコンパクトの一言で、タバコと比べてもこの通り。プリアンプ系のコンパクトエフェクターを若干大きくしたくらいのサイズしかない。
これで200Wの出力を備え、価格が3万円代というのだから欲しくならないはずがない。
こんな小さなサイズなのに、オモチャ感はまったくなく、他のクラスDヘッドと遜色ないクオリティの音が出てくる。というより、正直好みもあるが、今まで試して来た小型ヘッドの中では一番実践向きなバランスの良い音で出てくる。
これは良い買い物をしたと思う。
これをギグバッグのポケットにスポッと入れて軽セッションに参加して音を出せれば、購入した3マンいくらの元はじゅうぶんすぎるほど取れる。
コントロールはシンプルで、ゲインとボリューム、3バンドEQ。
EQの効きはさほど悪くないが、音のバランスがガッツリ変わるほどのEQではなく、どこまで回しても基本的な音色のバランスが破綻しないので、補正的と言えそう。逆に言えば、EQフラットでじゅうぶん使えるバランスの音。
ゲインは上げすぎると、音割れを防止するためにコンプがかかるように回路が組まれており、インジケーターが緑からオレンジに反応する。さらに回していくと普通にひずむ。コンプがかかり始める水準は低いので、クリーンで出したければゲインの方はあまり上げられない印象。
ただ、クラスDはヌケるかは別として意外なほどパワーはあるので、よほどハードなバンド編成じゃなければ、ゲインもボリュームもそこまで上げる必要はなさそう。
弁当箱よりも小さいサイズながら、ちゃんとファン付きなので、よくよく耳を近づけると、しっかりファンが回っているのがわかる。
ただ、サイズも小さいので、長時間の使用だと本体はそれなりに熱を持つ(熱いほどではない)からファンはほぼフルテンで回りっぱなしになる。自宅でプリアンプがわりに使うならば電気代はかかるかもしれない。
レビューにも多く見かけたが「電源ケーブルが太い」。でも、そのおかげで随分とローノイズで音質の向上にも多少なりとも貢献している印象。スタジオに置いてあるヘッドの電源ケーブルと付け替えて比べてみた印象としてはそんな感じ。
コンセント部分のアース線が、3芯のプラグになっていないところも、実用向きでとてもいい。自宅のコンセントは2芯なので、3芯のプラグだと使い勝手が悪い。
と、まぁ
初見の感想としてはこんな感じ。
正直いうと、自分はエフェクターをカッチリ組んで大きなボードを持ち歩いてセットするというのが昔から性に合わず、小さなヘッドやプリアンプを1つ持ち運んでどこの現場でも対応するというのが、ベースプレイヤーとしての自分なりの理想。だから、小型ヘッドをバカみたいに試して来たのだが、このヘッドは実践で使えるものであって欲しい。
さて、ここからは昔話
いままでにいろんなクラスDヘッドを使って来て、なぜ小型ヘッドに嫌気がさしたかというと、いろんなメーカー、各社プリアンプ部の違いから多少サウンドカラーに違いがあるものの、音の飛び方やニュアンスの傾向がどれもみんな同じだったから。
具体的にいうと、倍音成分がバッサリ削られているのか、低音域に締りがなく、音の開放感もなく、全体的にモワッとダマになった泥の塊が飛んでくるような音のイメージ。。。笑
特に4弦以下の低音弦側は倍音成分の豊富さがとても重要で、それがないとただの締りのない膨らんだ低音の塊になってしまう。
なんともモワンとしたアタックのスピード感に欠ける低音弦の出力がとても気に入らなかった。なんだか4弦以下だけ鳴りが悪くなったような、、、弦が死んだような感じのレスポンスとでも言えばいいだろうか。。。
ちなみに今まで試して来た小型ヘッドは、TCエレクトロニック、アンペグ、GK、マークベース、SWR、フェンダー。。。。
どれもメーカー各社のサウンドキャラクターを頑張って作ろうとしている努力は感じられるが、正直パワーアンプ部(クラスD回路)の傾向が強すぎて、どれを弾いても全く同じクセがあって、同じにしか感じられなかった。
プリアンプ部の評価をするとマークベースはミッドがマイルドすぎて使いづらかったし、GKに関しては高域がカリカリしていて音が詰まっている感じ、アンペグに関してはアンペグの音が全くせず、ただただモワンとしただけの低音が出てくる感じだった。
TCは、レコーディングでライン直の時はオーディオライクでフラットなとても良い音で録れるが、やっぱり本来のアンプの用途通りキャビネットから音を出すとクラスDのパワーアンプ部のモヤモヤ感があって使い物にならなかった。
クラスDヘッドと言えど、プリアンプ部に罪はない(笑)ので、ライン直で突っ込むと意外なほど良い音がしたりする。
リンク:ベースの小型ヘッドアンプは実践では使えない!クラスDをおすすめしない2つの理由
昔話おわり

と、、、
今までの小型ヘッド使用遍歴を語ったところで、このエルフに話を戻そうと思うが、残念なことにやっぱり間違いなくクラスD回路なので、音のクセというか傾向はさほど変わらない。
スタジオでキャビネットから音を出した時に、やっぱりフルサイズのヘッドアンプと比べて、倍音成分の開放感に乏しい印象で、低域にもうちょっと締りと、アタックのスピード感が欲しい。
とはいえ、モヤっとした音の印象はさほどなく、プリアンプ部の音の作り込みでずいぶんとうまく音のバランスをまとめている印象がある。使えるか使えないかで言えば、使える
これは買ってしまったから良い評価を下しているわけではなく、たとえ音質が60点だとしてもこのサイズと値段だけでじゅうぶん高評価が与えられる。
そしてヘッドフォン出力から直接モニターした感想はピカイチで、まさしくトレースエリオットのサウンドそのものだった。小型ヘッドでもちゃんとメーカーのサウンドを継承していることにトレースエリオットの頑張りを感じた。
(ちなみに、サウンド○ウスにも似たようなレビューが上がってるかもしれませんが、パクって来てるわけではなく、おそらく僕が投稿したレビューなので悪しからず。。。)
まとめると、
トレースエリオットのエルフは、サイズがかなり小さいのでオーディオインターフェイスの上に乗せても違和感ないし、まずはデスクトップ用のプリアンプがわりに使うには音質はピカイチ。キャビネットから出す音や使い回しは65点程度だが、それでもサイズと値段を考えると汎用性でプラス10点を与えてもいいと思えるのでじゅうぶん実用レベルといえそう。
出力が200・150W/4・8Ωなので、ハードなジャンルをやっている人には若干余裕のない出力かもしれないが、爆音を出さない人には必要十分な出力と言える。
余談ですが、インピーダンスってとても重要。インピーダンスが合うか合わないかで全然音質が変わる。試しにパッシブのベースを使っている人は、ヘッドのアクティブ用のインプット端子に繋いで音を出してみて欲しい。インピーダンスが合っているかどうかがいかに重要かわかると思う。実は宅録でもそれによってかなり音質が変わる。
なので、キャビネットとの相性というのがヘッドにとって一番重要だったりする。結果、キャビネットが一番重要なんだよね笑
というオチ。